RinGoon POP!!: アーカイブ: 2010年3月 1日

日本時間27日15時34分に発生したチリ大地震による津波は、日本時間28日12時43分に日本最東端の南鳥島に到達したのを最初に、日本各地に押し寄せた。三陸沿岸を中心に、岸壁を越えた波が岸壁付近の家屋を濡らしたほか、宮城県では、ノリや牡蠣の養殖施設が流失し、岩手県の脇之沢漁港では、漁船が岸壁に乗り上げる被害が出た。人的被害は報告されていない。夜が明けて、詳細な被害状況が明らかになると思われる。

なお、各地に出されていた津波警報は、午前3時6分にすべて解除された。

◆うねる大波、陸上へも　「大きいのが来る」各地で警戒
◆岩手県陸前高田市の脇之沢漁港では、津波により漁船が岸壁に打ち上げられた
◆チリ地震津波　頭よぎる「５０年前」　不安の漁業者

◆チリ地震、太平洋岸各地に津波...住民４万人避難

それでも、人的被害が出なかったことは幸いであった。昨日は明示的に書かなかったが、50年前の地震を教訓に、各地の漁港全てに防波堤が建設された。津波と聞いてイメージするような「波走り」が起きないのは防波堤の効果であって、我々の備えが自然災害に打ち勝った瞬間である。防波堤は、建設から時間が経って老朽化が進んでいるものもあり、次の（別の）チリ大地震の周期が来る20～30年後までには修復を終え（るか漁港を放棄し）ていきたい。

◆津波「避難」対象者、実際に避難は６・２％

避難所に避難した人が6.2%ということであって、旅行に行ったり別の都市に移動したりした人は含まれていない。俺だったらどこかに旅行に行く。温泉とか。温泉行きたいな。

◆避難指示応じず、津波到達予想時刻にサーフィン

むう。バカがいた。津波（押し波）にライドできれば、それは楽しいかもしれないが、落ちれば高確率で死ぬ。今回は比較的津波が小さかったから良かったものの、大規模な津波の引き波に飲まれたら沖合数キロまで一瞬で流される。津波の波と、普通の波（台風の波を含む）とを一緒に考えてはいけない。

津波の恐ろしさを体験した世代は、すでに高齢になっていて、我々の世代は、口伝により知るのみである。それも、津波の被害が多かった三陸沿岸で伝わるだけであって、全国的に見れば、津波の知識はほとんど知られていない。今回も、防波堤や水門などの津波対策設備のおかげで、目に見える被害がなかったことで、「また気象庁が騒いだだけか」という認識がさらに広まることが懸念される。そして、何より、津波に対する甘さが、沿岸地震による突発的な津波に対しても適応されることを恐れる。奥尻島の教訓を忘れてはならない。

養殖施設を流された漁業関係者にお見舞いを申し上げる。人的被害が無くて本当に良かった。

◆チリ地震で各地に津波、ロビンソン・クルーソー島では死者も
◆ロビンソン・クルーソー島も津波被害　５人死亡

昨日、ロビンソン・クルーソー島の写真を紹介したけど、写真を見て分かるように、ロビンソン・クルーソー島には防波堤がない。

◆チリ地震、死者は７０８人に
◆チリ地震死者４００人超す、２００万人被災
◆チリ、大地震の死者400人超　200万人が被災
◆チリ地震：死者４００人以上に　１００人生き埋めの情報も
◆チリ巨大地震、被災者２００万人以上　死者３００人超す

◆邦人の安否確認急ぐ、被害情報はなし...チリ地震

◆チリ地震ＪＩＣＡ職員派遣へ

政府としては、災難救助隊の派遣は、現時点では考えていない、とのこと。チリ政府の求めがあったら手を差し伸べていきたい。

◆日赤、地震被災地のチリへ職員１人派遣

◆米グーグル、チリ地震で安否情報サイトを緊急オープン
■Google Person Finder: Chile Earthquake

◆「怖くて建物で眠れない」...チリ首都ルポ
◆未明の揺れ、地震国でもパニックチリ大地震
◆突然余震、身すくむ　住民ら家に入れず　チリ被災地ルポ

地震多発国でもパニックが起きる状況を見ると、なんだかんだ言っても、日本人の地震に対する心構えは、まだマシなんだなあと思う。

◆内閣支持率、２ポイント下落の43％　日経世論調査