クローンを題材にしたSF映画だと聞いて、ほとんど期待せずに見ましたが、
いやはや、予想をはるかに超える良い映画でした。
<ネタバレ>
映画の導入部から、どうも主人公たちに感情移入できない、という違和感を感じさせられました。
それもそのはずで、観客はクローンを製造する人間様の立場で映画を見ているからで、
この違和感に気が付かないとこの映画の良さは分からないと思います。
違和感のもう一端は、主人公たちの残虐性にあります。
高速道路で車輪を投げ落とす。
自分のオリジナルをクローンと偽って殺させる。
「生きるためにはなんだってする」という大義名分のもとに数々の犯罪行為を行う姿は、
勧善懲悪のヒーローとは異なるものです。
しかし、クローンにも人権を認める、という主題の中で、ふと気が付くわけです。
クローンに人権を認める=クローンは人間である、つまり、
クローンが見せた残虐性はまぎれもなく人間の残虐性そのものなのです。
この映画は、クローンと言う鏡を通して我々を知る、そんな深い映画なんじゃないかな、と思うわけです。
監督がどこまで狙って作ったのかはわかりませんがw
あと、スポンサーの意向なのかもしれませんが、余計なアクションシーン多すぎ。無駄すぎ。壊しすぎ。
特殊部隊も無能すぎw
</ネタバレ>
ちょうどES細胞が捏造だとかいう話題もありますし、
クローン技術の生命倫理が問われている今だからこそ面白い映画、と言えるかもしれません。
科学に興味が無い人には、全く面白くなかったみたいです。
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