11/26ニュース － ノーベル賞・フィールズ賞受賞者が事業仕分けを批判する緊急声明発表

ノーベル賞を受賞した江崎玲於奈先生、利根川進先生、野依良治先生、小林誠先生と、フィールズ賞を受賞した森重文先生が、25日夜、東大理学部小柴ホールで緊急声明を発表し、政府の事業仕分けによって日本の科学の歩みが止まりかねないと厳しく批判した。

■ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明（録画映像）
■ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明と科学技術予算をめぐる緊急討論会（イベントの詳細）

ustで生中継していたものの録画。さすが諸先生方、名言・至言が飛び出しまくり。江崎先生は、特に、「科学」と「技術」の語義から、「科学技術」と一緒くたにして議論していることの問題点を主張しておられて、誠にその通りだなと思う。「（科学は）知識を得ることに価値があって、役に立つとか関係ないんです」は正に至言。知識の探求をやめることは、人類の根源に関わる問題なのである。ぜひ聞いていただきたい（録画はしばらくすると消えるそうです）。

-- マスコミの報道

◆「事業仕分けは大いに問題」--江崎玲於奈氏などノーベル賞受賞者が緊急声明（声明全文）
◆「取り返しつかない」ノーベル賞受賞者が仕分け批判
◆科学技術予算カットに異議　ノーベル賞野依氏らが会見
◆ノーベル賞学者ら「仕分け」憂慮＝「科学技術に深刻な結果」－東大に集結、緊急声明
◆予算削減は「科学全体の問題」　ノーベル受賞者ら厳しく批判
◆事業仕分け：科学技術立国に逆行...ノーベル学者ら緊急声明
◆ノーベル賞受賞者 仕分け批判

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◆ノーベル賞受賞者の批判に首相「会って話聞きたい
◆予算削減で「話聞きたい」＝ノーベル賞受賞者と懇談へ－首相

> 「本当に（予算を）削るところがないのかどうかという議論はあってしかるべきだ」と強調した。

削るのを止める気は無いみたいです orz

-- 追記

■科学技術予算をめぐる緊急討論会（討論会）（録画映像）

緊急声明の後に、東大の先生方を交えた討論会が開かれていたんだけど、その中で、事業仕分けを進める立場の財務省の役人も、事業仕分けにストップをかける立場の文科省の役人も、東大の出身者（が多数）である、という話が出てて、今回のこの討論を東大でやったことの皮肉というものを感じた。他の大学だったら、方向性は同じでも雰囲気は違うのかもしれないね。直接的には関係ない話だけど。科学と、技術と、人間との関わり合いについて、国民の理解を得ることの困難さを改めて思い知った。

-- その他、最近の科学技術関連予算に対する事業仕分けへの批判

◆科学技術予算削減 待った...ノーベル賞・野依さん「我が国の生命線
◆事業仕分け：ノーベル賞受賞者の野依さん、科技予算削減を批判
◆ノーベル賞野依氏　「歴史の法廷に立つ覚悟あるのか」　事業仕分けのスパコン予算カットに

野依先生は、今日は朝から訴えて回っていらっしゃったみたいで、お疲れ様です。

◆若田光一さんに総理顕彰授与　首相「科学への関心向上」

> 若田さんは「世界各国が日本の技術に対し信頼感を持っている。より技術を伸ばす必要がある」と応じた。
> 若田さんは首相との面会後...（略）...「宇宙開発は日本が科学技術立国として存続するために重要な分野。長期的な展望に立って開発を進める必要がある」と述べた。

嬉しい援護射撃ｋｔｋｒ！

◆事業仕分け：科技予算削減「世界潮流に逆行」　旧帝大学長ら声明

> 東京大、京都大など旧７帝大と早稲田大、慶応大の９大学の学長

極めて異例どころの話じゃない。日本では初めてだろうし、世界でも初めてのことなんじゃないか？

◆山中教授 事業仕分けを批判

将来のノーベル賞候補も批判。特許認定おめでとうございます。iPS細胞みたいなのは、もうすでにお金の臭いがする「技術」になっている（ので予算が削られることはないんだろう）けれども、ここまで来るのに、どれだけ長く深く、光を浴びない中で研究を続けてこられたかということを考えると、基礎科学を疎かにするのは国を滅ぼすのと同義であると強く思う。