今までに、私は次の2つの機能を実装している。
1. 脳の活動状態を監視して、活動レベルが低下したら警告を発する機能
脳が疲労したり、鬱状態になると、脳の活動レベルが極端に低下する。脳の活動レベルが低下すると、いわゆる「うっかりミス」を多発するようになって、非常によろしくない。何より、脳の活動レベルが低下していると、「脳の活動レベルが低下していること」に気が付かない、鬱状態に陥っていることに気が付かない、という点が非常に厄介である。
そこで、常に脳の活動レベルを監視するようなスレッドを、独立したスレッドとして立ち上げることを考えた。
入力 : 脳の処理速度、脳の疲労感、信号の総量
出力 : 脳の活動状況(平時よりも活動してる or 平時よりも低下している)
処理内容 : 入力信号から、脳の活動状況を求める
呼出元 : メインスレッド、なし(自律)
呼出タイミング : 随時、活動レベルが低下したとき
機能の実装は、それなりに上手くいったように思う。メインスレッド(自我意識)からの呼び出しに対して、脳の活動状況を取得することができた。また、脳の活動が活発になると、「今、活発に活動している」という出力を感じることができるようになった。しかし、本来の目的である「脳の活動レベルが低下している」という出力は、自律的には得ることができず、メインスレッドから機能を呼び出さないと取得できない。脳の活動レベルが低下している状況では、独立したスレッドについても処理が止まっているからだと思われる。結局のところ、「うっかりミス」の防止や鬱状態の検知には役に立っていない。
この時は、まだ報酬という考え方に至っていなかったので、強い動機付けができなかったのが失敗の一因かもしれない。例えば、生体の危機を回避するというのは報酬となりうるので、「脳の活動が低下することは生体の危機である」と擦り込んだ上で、生体の危機を察知するような感覚をアラートにする、ということが考えられる。また、脳の処理速度を測るといった手間のかかる処理をやめて、脳の活動レベルが低下しているという「違和感」をアラートにする、という方向でも良いかもしれない。
2. 瞑想の境地を瞬時に再現する機能
深い瞑想の入ると、白い光に包まれるような体験をすることがあるという。瞑想の境地ともされる。高校生の時に、瞑想をしていて、そのような体験をしたことがあったのだが、長らく忘れていた。
最近になって、ちょっとした好奇心から、ドライオーガズムの一種であるエナジーオーガズムというものがあると知り、試してみた。2度目の挑戦でオーガズムを感じることができたのであるが、そのときの視覚イメージが、瞑想の境地と酷似していた。白い光が降り注ぐような感覚である。また。多幸感を覚えるのも共通している。ただし、エナジーオーガズムは性的な感覚を基軸にしている点で異なる。
(ちなみにWikipediaのドライオーガズムの記述は、少々エロス方向に誇張・脚色していて、参考にはなるが、学術的ではない。)
エナジーオーガズムは、女性のオーガズムに近いとされる。一方、女性のオーガズム時の脳では、脳の活動が活発になっているという研究がある。おそらく、エナジーオーガズム時の脳では、信号が溢れかえっている状態なのではないかと考えられる。
瞑想の境地で白い光に包まれるのは実に心地よい体験である。しかしながら、その光を感じるまでには、私の場合、数時間の瞑想が必要となる。時間に追われる現代では、なかなか得難いものだ。そこで、様々な条件はあるものの、10分ほどで得られるエナジーオーガズムを何度か繰り返し、白い光に包まれている時の脳の状態を記録できれば、後に再生することができるのではないかと考え、試みることにした。
入力 : なし
出力 : なし
処理内容 : 白い光に包まれた状況を再生する
呼出タイミング : 随時
この試みは上手くいった。十数秒で、白い光に包まれた感覚を、条件なしでいつでも呼び出せるようになった。ただし、多幸感の強度はオリジナルの一割以下である。イミテーションとでも呼称しようか。
また、副次的に得られた効果として、白い光が幸福感を呼び起こす感覚をも記録することができた。再生すると、一瞬で、ほんのわずかではあるが幸福感を呼び出せるようである。この機能を使えば、ブレインハックの成功率も向上するだろうということから、ブレインハックにおける「報酬」という考えに至った。
次回以降、この無条件の幸福感という報酬を用いてブレインハックを行っていく。
なお、エナジーオーガズムは、気持ちよい感覚とともに、神経を焼いている感覚がある。脳への負担が強すぎるのではないかと思われる。個人的には多用すべきものではないと考える。一方で、瞑想による体験はとても穏やかなもので、脳への負担は比較的少ないように感じられる。おそらく、エナジーオーガズムでは、急激な信号の増幅によって脳が酸欠状態に陥っているのではないか。単純に「慣れ」の問題なのかもしれない。
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